待遇改善に向けた取り組み

介護業界は、日本の高齢化が進み、その必要性が高まっている一方で、離職率も高く、常に人手不足だと言われています。その状況を改めるために、様々な待遇改善の試みがなされています。

まず、離職率が高い理由として、業務内容の割に給与が低いという点が考えられます。介護職員の給与は、全職種の平均を大きく下回るとも言われ、夜勤手当を頼みにしている人も少なくありません。仕事の内容が心身ともにハードであるにもかかわらず、それに見合った給与が支払われているとは言い難い点が、離職の一番の原因でしょう。

それを改善するために、国が打ち出したのが「介護職員処遇改善加算」という制度です。これは、厚生労働省が主導している制度で、具体的には「キャリアパス要件や職場環境等要件を満たした事業所には、介護職員の給与アップのためのお金を支給する」というものです。「キャリアパス要件」とは、資質向上のための研修の機会を設けたり、経験や資格に応じた昇給の仕組みを整えること等の要件のこと。「職場環境等要件」というのは、賃金改善以外の処遇改善の取り組みを実施する事と定められています。この加算の目的は、先述のように介護職員の給与アップの他、職員たちの安定した処遇改善のための環境整備であり、これによって、今現在介護の現場で働いている人達の離職を抑えようと試みられています。

また、企業によっては介護職員の週休3日制の導入を始めているところもあります。夜勤もあり、身体を使う介護職では休養の重要性が高い点と、女性が多く働いているため、より一層仕事と家庭を両立しやすくするためにも注目されています。働きやすくなるように改善されつつある介護業界に目が離せません。